藁工ミュージアム

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【ごあいさつ】AからZ(アートゾーン)で考える 高知の森林鉄道∞

2016年10月17日 |

ごあいさつ

このたび、藁工ミュージアム・高知大学人文社会科学部共催により、「高知の森林鉄道∞」展が開催の運びとなりました。

中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会がこれまで取り組んで参りました活動の中でも、規模の大きさは有数でございますし、美術館とのコラボレーションという意味で、画期的な企画であると自負しております。

 

この展覧会を通じまして、中芸地区の森林鉄道遺産、さらには高知県全体の森林鉄道遺産を、まず県民のみなさんに知っていただきたいと思います。

明治の終わり、国有林の木を運び出すために、北海道から鹿児島まで、全国の山林に森林鉄道・軌道が敷設されました。高知県では、安田川林道の軌道を嚆矢として、西は宿毛から東は野根まで、実に広範囲に鉄道・軌道が敷設されました。開通は土讃線よりも早く、総延長もはるかに長く、県内あちこちに張り巡らされ、産業と人びとの暮らしを支えていたのです。どこへ行っても森林鉄道・軌道が見られる、そんな時代が高知の山間部にはありました。

廃線となり、姿を消した今でも、その風景は人びとの記憶に残っています。また、鉄橋や隧道といった大規模な構造物、そして擁壁や橋台の美事な石積は、一日一日産業遺産としての重みを増しています。

森林鉄道遺産が高知県民の誇りとなる、それが私たちの望みです。

 

さて、美術館という空間で、森林鉄道は、どのような新しい魅力をみせるのでしょうか?

もっとも楽しみにしているのは、森林鉄道遺産の保存・活用に長く携わってきた私たちかもしれません。

「高知の森林鉄道∞」が、これまでになかった森林鉄道ファンを開拓し、貴重な歴史遺産を未来に引き継ぐ気運、そしてひとを生むきっかけとなることを期待しております。

 

藁工ミュージアムからいただいた提案が、今回の展覧会のはじまりでした。スタッフのみなさまには、あらゆる場面で、全面的なご協力をいただきました。高知大学人文社会科学部は、平成27年から、森林鉄道遺産と人びとの暮らしをテーマとする聞き取り調査を実施している、私たちのパートナーです。この2団体を共催に迎えることで、ようやく実現することができました。心より感謝申し上げます。

また、後援の中芸5町村、展示制作、関連イベントにご協力いただいたみなさま、当展覧会の基になったシンポジウム「魚梁瀬森林鉄遺産を通じた地域再考と地域振興」(高知人文社会学会主催 平成28年3月4日 安田町集落活動センター中山)からご協力いただいた地域団体のみなさま、四万十市、四万十町、いの町、本山町、香美市で地域に残る森林鉄道の歴史を記録し、遺産を守り、活用し、記憶を繋いで行くための着実な活動をされてきたみなさまに、心よりお礼申し上げます。

高知の森林鉄道、これから無限に広がる未来がありますように!

 

平成28年10月12日

中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会

会長 清岡博基

 

ごあいさつ

 

この度は、「AからZ(アートゾーン)で考える 高知の森林鉄道∞」展にご来場いただき、誠にありがとうございます。

 

本展は、当館のあるアートゾーン藁工倉庫で始めた「AからZ(アートゾーン)で考える」シリーズの一環で、「高知の文化について考える」展覧会シリーズの第一弾として開催いたします。

「AからZ(アートゾーン)で考える」シリーズは、身近な出来事、聞いたことはあるけどあまりよくわからないもの、地域の課題や社会の問題についてなど、様々な「何か」についてアートゾーンで考えてみよう、という企画です。南海トラフ巨大地震の被害が危惧される高知の課題である「減災」「防災」について、「アート」という視点を交えてアプローチすることにより、課題解決につながる小さなきっかけが作れるのではないかという試みから始まりました。

 

「森林鉄道」は、水力輸送に代わる画期的な木材運搬手段として50年ほど前まで日本各地の山中で活躍した鉄道です。木材を運搬するために敷設されたものでしたが、「魚梁瀬森林鉄道」の走る高知県東部中芸地区の住民にとっては食料や生活用品など生活物資の輸送だけでなく、映画フィルムなどの《文化》も運んだほか、中芸五町村を結ぶ唯一の交通機関だったため、移動手段としても利用されていました。当時は森林鉄道に乗って嫁ぐ光景も通例となっていたそうです。

 

ところで、私たちはよく「高知らしい」と言ったりします。「高知らしい」とはいったいなんでしょうか?

 

高知県は全国有数の「森林保有率」を誇ります。県内のあちこちに張り巡らされ、産業を支え、暮らしとともに存在した「森林鉄道」。その遺構を残し、伝えていこうと取り組んでいる「中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会」の活動に共感し、活動も含め紹介することが、「高知らしい」や「高知の文化」を考える一つの切り口になるのではないかと考え、共催する運びとなりました。

 

森林鉄道遺構のように、私たちが暮らす地域にはたくさんの文化資源が残っています。それらは、日常風景の一部として私たちの生活に溶け込んでしまっているものも少なくないでしょう。本展が地域を改めて見つめ直すきっかけとなり、地域や文化に対する関心が深まる一助になれば幸いです。

 

最後になりましたが、本展は中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会、高知大学人文社会科学部との協働で実現いたしました。また、格別ご協力いただきました株式会社LIXIL LIXILギャラリー、さかわ発明ラボ、高知市立市民図書館、四国森林管理局、音楽茶房リベルテ、土木写真家・西山芳一様、有田准子様にこの場をお借りして深謝いたします。本展は多くの団体や個人の方の多大なご尽力により開催することができました。関係者各位に心よりお礼申し上げます。

平成28年年10月

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